生き物の宝庫と言える、自然農の田んぼ
無農薬はもちろんのこと、人為的肥料も使わない自然農の田んぼは、生物多様性の環境が整っています。
微生物から昆虫、カエルに至まで、必要なものが必要な数だけバランスよく生息します。そして、弱い稲は
病気に罹り、虫にも食べられます。しかし、全体に広がることは決してありません。自然農に「害虫」という概念は
ありません。それが、どちらにも偏らない自然農の「程よさ」と言えます。
子育てと共通する、自然栽培ほど強い稲に育つ。
自然栽培に一番必要なものは、{太陽と土と水}です。日の光が十分当たるように苗の間隔は30cm以上取り、
土から十分な栄養を採るために1~2本しか植えません。子育てとまったく同じではないでしょうか。
父親(光)と母親(水)は愛情をたっぷり注ぎ、子ども自らが、根を伸ばすことの手助けをするのです。
日のめぐり、月のめぐり、農をとおして四季に触れる。
太陽の周りを地球が回る。その地球の周りを月が回る。その周期は一定で、一寸の誤差もなく確実に“廻る”。
人は調和という完璧なバランスに対し、その“めぐり”を数字で割り切ろうとしました。永遠に割り切れない
円周率と同じように…
太陽暦である“数字の暦”は、システマチックで合理的な生活をもたらし、文化の進歩に大きな貢献をしたのは
事実ですが、同時に、時間や数字に追われる生活を強いられる現代人の心と体のバランスを壊してきたのも
事実です。日本では古くから、太陽と月の周期を基にした農事暦を使用してきました。自然の中に身を委ね、
一年を通して農に携わることで、人も自然の一部であることを実感するでしょう。
農的暮らしの中に漂う、日本の美意識“農は美しい”。
日本の原風景である農山村に心を惹かれない人はいないでしょう。景観はもとより衣食住に至るまで、
その暮らしの中には美が漂っています。先人たちの、ものを無駄にしない工夫や自然に対する謙虚さが
現代人に感動を与えるのでしょう。今話題の“LOHAS”の奥にあるものは、この自然に感謝する心に
他なりません。日本の農、agri-“CULTURE”から現代の日本人が失いかけている美徳や美意識を学びます。
“農”を軸に広がる、21世紀のコミュニケーション。
親子、家族の関係が不安定で希薄な時代。これはすでに個人で解決できる範囲を超えています。
社会の問題として行政や学校、地域住民が主体となり取り組む重要課題ではないでしょうか。
農を単なる食糧生産の手段という価値観から多面的な価値観へと変わりつつある今日、「生産者と消費者」、
「都会と農村」という立場や距離感をなくした地域のコミュニケーションの場として、開かれた農をめざします。

